アパレルを辞めたい。辞めずに環境を変える4つの方法
アパレル関係の仕事を辞めたい。そう感じてしまう理由は?
アパレル関係の仕事は、華やかで憧れを持って始める方が多いです。しかし現実と理想のギャップに辛さを感じてしまい、仕事をやめたいと思っている方も多いですよね。これから具体的にどんなときに仕事を辞めたくなるのかを紹介していきます。
辞める決断をする前に。自分の市場価値を知って気分転換
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1日の労働時間が長く、定時で帰れることは少ない
アパレルの販売員は、路面店、ショッピングモール、ファッションビルなど様々な出店の形態で仕事をしています。
開店時間はおよそ9時から10時の間が一般的です。早番の場合、開店の1時間前から勤務時間が始まる店舗も多くあります。
閉店時間は、路面店であれば、20時頃が一般的です。ショッピングモールやファッションビルは、21時から22時と遅くまで営業している店舗が多いですよね。そうなると遅番の場合、閉店後も1時間程度は勤務時間になります。
そのため労働時間は比較的長くなる傾向にあります。さらに接客以外の様々な業務によって定時に帰れることは少ないのが現状です。
常に人手不足のため店頭での接客以外の業務がたくさんある
アパレルの販売員には、接客以外の仕事もたくさんありますよね。
店舗をきれいに保つための簡単な清掃、お客様が広げた洋服のたたみ直しや、バックヤードの整頓や商品の補充、入荷物の処理、出荷物の準備など営業時間中だけでもたくさんの業務があります。さらに売上日報の送信や翌日の準備、ディスプレイの変更、掃除機をかけたり、什器を拭いたりする本格的な清掃など、営業時間後にもたくさんの業務があります。
こんなにたくさんの業務がありますが、人員は十分とはいえず、むしろ不足しているのが現状です。一人当たりの業務量が多くて終わらないため、仕方なく残業をしている方も多いです。
売上ノルマがありストレスに感じる
接客以外の業務がたくさんありますが、一番求められているのは、接客をして売上を作ることです。店舗によって違いはありますが、個人ノルマが設定されていて、ノルマの達成が目標になります。
しかし毎日安定してノルマを達成するために、十分なお客様が来るとは限りません。天候であったり、セールをしている、あるいは近隣の店舗がセールをしているなど、内外の様々な条件によってお客様が増減します。特にお客様の少ないときでもノルマを達成しなくてはいけないというプレッシャーは、かなり重くなりますよね。
そんなときにノルマを達成できないと、自分には販売員の仕事は向いていないと思ってしまい、それがストレスとなって体調を崩してしまう方もいます。
不定休で休日が少なく年末年始はセールで休めない
一般的には年間120日以上の休暇があるのが優良企業と言われています。しかしアパレル業界では、年間84日から100日前後が平均です。だいたい月に7日から8日くらいが平均です。シフトについては、3日勤務して1日休みというサイクルが多いです。
正社員であれば有給休暇を付与されますが、自由に使えることは少なく、年々たまっていくことが多いです。
基本的に休みを取れるのは平日です。土日はお客様がたくさん来ますので、出勤になります。また限られた人員で店舗を運営していますので、3日以上の長期連休の取得は難しいのが現状です。特に世間一般的に長期連休であるゴールデンウィークや年末年始は、普段の土日よりもお客様がたくさん来ますので、原則休めません。
また、長期連休やセールの直前の平日も、準備のために休めない場合もあります。
仕事用に自社製品の服を買うためお金がかかる
販売員は言わばブランドの顔です。そのため、ほとんどのブランドでは自社の洋服を着用しなくてはなりません。
ブランドによっては支給してくれるところもありますが、ごくわずかのブランドに限られているのが現状です。その他の多くのブランドは、社員割引を利用して定価から40~60%OFFで購入します。
セレクトショップなどでは、自社のオリジナル製品ではないものが多く、他社製品に自社のブランド名をつけたセレクト品があります。そういったセレクト品は、自社オリジナル品に比べて値引き率が低く、40%OFF程度が通常です。さらに比較的単価も高いため、出費が多くなります。
自社製品は、ブランドによって価格設定はバラつきがありますが、定価より安くはなっても、月に20日以上働くことになるのでそれなりの量が必要です。
購入するのはそのシーズンに扱っている商品にするのが一般的で、型落ちの商品や店頭に並んでいない商品を着ることは、望ましくありません。また季節ごとに次々と新商品が出ますので、今まで着ていた服が店頭からなくなったりしたら、新たに購入をしなくてはいけません。商品の入れ替えがあるたびに購入していたら、かなりの金額になりますよね。
自社ブランドでこれだけの買い物をしていたら、他社ブランドでほしいものがあっても我慢せざるを得ません。
お店が混雑していると休憩のタイミングがなかなか取れない
店舗単位で休憩を取る時間帯は決まっています。一般的にお客様が少ない時間帯を選んで、早番のスタッフから順番に休憩を取ります。
しかし、お客様がたくさん来ると接客しなければならないので、休憩を取れません。早番のスタッフの休憩を取る時間が遅くなれば、全員が休憩を取る前にまた忙しくなり、休憩を取れずに勤務時間が終わってしまうこともあります。日ごろから忙しい店舗では、休憩を分けて取る、休憩時間を短くするなどの工夫をしていますが、短くした分の補填は十分ではありません。
立ち仕事で足腰に負担がかかる
販売員の仕事は休憩のとき以外、立っているのが基本です。さらに納品や在庫整理の作業はかなりの肉体労働です。そのため、足腰に疲労が溜まりやすいです。売り場では立ち仕事で、バックヤードでは力仕事ですので、自然と負担がかかります。
商品がたくさん詰まった段ボールを運ぶ、重たい什器を移動させるなどの力仕事は、男性が行うのが一般的です。一方、女性はバランスが取りにくいヒールや、クッション性の低いパンプスなどの靴で働いています。さらにスカートやワンピースなど動きにくい服装でもあります。しかし女性が多い店舗だと、業務内容は男性とさほど変わらないため、男性と同じかそれ以上の負担が身体にかかっている場合があります。
このように日ごろから足腰に負担がかかり、蓄積しすぎると、ヘルニアなどの重病を発症してしまうケースもあります。
便秘や膀胱炎になることもある
販売員は忙しいため、トイレに行くこともままならない場合があります。トイレを我慢することに慣れてしまって、便秘や膀胱炎に悩んでいる販売員は少なくありません。膀胱炎などは、通院が必要になりますので、ただでさえ少ないプライベートの時間がさらに削られてしまいます。
また、不特定多数の人と接していて、店内は暖房や冷房で乾燥している環境のため、風邪やウイルスの流行時期には感染のリスクが高いです。例えばインフルエンザのスタッフが出ると他のスタッフの負担が増えて、疲れが溜まって免疫力が下がり、倒れてしまうような連鎖になりかねません。
お客さんへの声かけを無視されたり邪険に扱われることがストレス
接客は、声かけから始まるのが一般的です。ファーストアプローチ、セカンドアプローチなど、声かけで全てが決まると言っても過言ではありません。しかしながら、声をかけて欲しくないお客様も一定数はいて、そのようなお客様からは無視される、心無い言葉を言われるなど、かなり冷たく対応されることもあります。
このような対応をされてしまうと、次のお客様も同じような人かもしれないと思い、積極的な声かけができなくなります。それが原因で店長や先輩に、なぜ声かけをしないのかと叱られることもあります。そうなると、どんどんストレスが溜まっていきます。
お客さんからクレームがある
販売員として店頭に立っていると、クレームを受けることはありますよね。クレームの内容が、製品上の不具合や販売員の対応のミスなどであれば、会社そのものや自分自身に非があるので、素直に謝れます。しかし、中には理不尽なクレームをつけてくるお客様もいます。
例えば、「着てみたらやっぱり気に入らないから返品したい」「セーターを乾燥機にかけたら縮んだ」など、お客様側の理由によるものなのに、お店の責任かのようにクレームを言ってきます。このようなクレームを言ってくる方は、だいたいすぐに納得してもらえません。「責任者を出せ」「返金してくれるまで動かない」など脅迫めいたことを言ってきたり、さらには「店舗まで来るためにかかった交通費を払え」など常識では考えられない要求をしてくることもあります。
このようなクレームの対応をすると、それだけで精神的に疲れてしまいます。こちらの対応に納得してもらえるまでは他の業務ができないので、疲れてストレスが溜まったあげく、残業をしなくてはいけなくなり、さらにストレスを感じてしまいますよね。
上司や同僚など職場での人間関係がストレスに感じる
店舗の人間関係もストレスの原因になっています。店舗あたりのスタッフは多くても10人程度です。もしその中で性格の合わない人や自分に対して悪意を持って接してくる人がいたら、それだけでストレスですよね。
ギリギリの人数で運営している店舗がほとんどのため、同じ日にシフトに入ることも少なくありません。特に全員出勤が多い土日に、顔を合わせることになります。ただでさえ忙しくてピリピリしているときに、気の合わない人や意地悪をしてくる人と一緒に仕事をしていると、より一層ストレスを感じてしまうのは仕方ありません。
個人ノルマを導入している店舗では、ノルマの達成のためにお客様の取り合いが起きて、スタッフ間の関係が悪くなる傾向にあります。
一般の企業ではそういった人間関係のトラブルに対しては、部署を変えたり、両者が関わらないように対策ができますが、少人数だとできる対策も限られてしまうので、すぐには改善しないことが多いです。
給料が低くなかなか昇給できない
一般的な企業では、20~25万円くらいが新卒初任給の平均です。それに比べてアパレル店員の月給は、平均17〜20万円くらいなので、決して高くはありません。先ほども書きましたが、この給料の中から自分で洋服を買わないといけないので、手元に残るお金は少なくなります。
昇級試験は、ブランドによって違いはありますが、その試験に合格しても月5000円程度と少額です。このくらいの昇給では生活は楽になりません。
さらに店長に昇進したとしても店長手当てとして、5000円から1万円程度が増えるだけのようです。店長は役職手当てをもらっている管理職になるため、残業代が入らなくなり、昇進前より給料が下がることもあります。
アルバイト・契約社員から正社員への道のりが長い
最近は正社員での採用も増えてきていますが、基本的にはアルバイト・契約社員からのスタートが多いです。そこから経験を積んで、正社員登用試験を受けてやっと正社員になれます。その試験は、半年に1回や年1回などブランドによって違いはありますが、チャンスが多いわけではありません。また試験の内容も、接客のロールプレイングやブランドに対する深い知識など、要求されるレベルはとても高いです。
ここまでの努力をして正社員になったとしても、給料面ではほとんど変わらないため、責任や業務が増えるだけと感じてしまいます。
新人研修が不十分なショップもある
憧れのアパレルの仕事についても、店舗によっては新人研修が充実していないところもあります。売上ノルマがある場合には、限られた人員で売上を達成しなければならないため、教育に当てる時間は削られてしまうのが現状です。
研修があったとしても、ブランドの基本的な知識やレジ操作、シフトの出し方など事務的なことは教えてもらえますが、接客の方法、各商品の特徴、店舗独自の暗黙のルールなどは、現場で自分自身で見て覚えることになります。そのため、教わっていないことでミスをしても叱られます。そんなときには、ストレスを感じてしまいますよね。
店長やサブになるための競争が激しい
店長やサブと呼ばれる人は、基本的に店舗に一人ずつです。
サブとは、副店長のことで、店舗のナンバー2のことです。一般的にシフトの調整や新人教育、店長のサポートをするポジションです。
キャリアアップをしたい方は、店長・サブを目指すため、同僚の間での競争が激しくなり、殺伐とした雰囲気になります。さらに現職の店長・サブの方が長く勤めることが多く、なかなかポジションが空かないことも競争が激化する原因の一つと言えます。
販売員からバイヤーや広報へのスキルアップは難しい
販売員から店長へとキャリアアップしたとしても、そこから先への道はさらに厳しいです。難しい理由としては、販売員としてのスキルを活かしにくい業種が多いためです。
バイヤーは、ファッションセンスも必要としますが、価格交渉などに必要な交渉力や、場合によっては語学力、貿易に関する知識など、販売員の経験からは得にくいスキルを必要とします。
広報は、PRに対する知識、ブランドの目指すイメージを実現できる発想力などが必要で、こちらも販売員の経験では養えないスキルと言えるでしょう。
企画では、商品開発のノウハウ、プロモーション手法など幅広い知識が必要になりますが、こちらも販売員の経験では獲得が難しい内容のものばかりです。
店頭に立てる年齢が限られており、将来に不安を感じる
販売員の仕事は、自身の年齢に合わせて働き方を選べません。ブランドの選択肢はあるものの、業務内容に大きな違いはありません。
年を重ねるにつれて、バックヤードでの力仕事や立ちっぱなしの接客はきつくなってきますよね。長時間労働の疲労も重なって、体力面で不安が出てきます。合わせて、経済面での不安もあります。ライフステージが上がっていくにつれて、生活にかかるお金は増えていきます。なかなか昇給や昇進のできない仕事に不安を感じるのは当たり前です。
結婚や妊娠・出産後に仕事を続けることが難しい
販売員の仕事は、ライフステージの変化に応じた働き方がしにくい傾向にあります。最近では、時短正社員などの制度も整いつつありますが、まだまだ限られた企業でしか実施されていません。
ほとんどの企業では正社員として働いている限り、結婚したからと言って定時に帰れるわけではありませんし、子供の学校行事だとしても土日に休みを取れる制度などもほとんどありません。妊娠しても、それに見合った制度や働き方を選べることも少ない状況です。また、出産後に子育てをしながら働くのも難しいのが現状です。
女性や男性だけの店舗も多く、忙しさもあり異性との出会いがない
メンズ専門、レディース専門という店舗はたくさんあります。そのため、スタッフが同性だけの職場で働いている方も多いです。同性しかいないため、職場での出会いはありません。
プライベートでの出会いについても、基本的に平日の不定休のため、土日休みの人と合わず、デートなどの予定を立てるのが難しいです。また仕事の終わる時間が読めず、仕事終わりに合コンなど出会いの場に行くことも多くはできません。そのため、彼氏彼女がいない販売員は多い傾向にあります。
辛い状況を脱出したい…職場を変えずにできることは?
ここまで、どのようなことで辛いと感じてしまうのかを紹介してきました。ただ、辛い状況を脱出したいけれど、アパレル関係の仕事はしていきたいという気持ちの方もいますよね。そのような方のために、職場を変えずに状況を変えられる方法を紹介します。
店長や上司に今の仕事が辛いことを相談する
思っているだけでは状況はよくならないばかりか、悪化してしまいます。あなたが辛い思いをしている事実を知ってもらうことが大切です。まずは、自分の店舗の店長に相談するのをおすすめします。店長は、現場で一緒に働いているので、色々と行動をしてもらえるでしょう。「店長だと近すぎて相談しにくい」「そもそも店長と不仲でストレスを溜めてしまっている」という方は、エリアマネージャーなど他の上司に相談してみましょう。管理職をまとめるほどの実力のある方であれば、きっと力になってくれます。
もし上司たちには相談できないのであれば、産業医やカウンセラーに相談しましょう。市区町村単位で、無料で相談できる施設があります。彼らは、その道のプロですので、的確にアドバイスをしてくれます。また話を聞いてもらえただけで気持ちが楽になることもあります。
接客に辛さを感じていればバックヤードの仕事に回してもらう
もし接客に対して自信を失っていたり、お客様の心無い言葉にトラウマを抱えてしまっていたとしたら、無理して接客を続けるのは危険です。
まずは接客から離れられるようにするとよいです。例えば、在庫整理や品出しの業務など、バックヤードで行う業務を中心にしてもらうのも手段の一つです。少し離れることで自信を取り戻せたり、トラウマがなくなる可能性があります。
また接客がしたいと思ったら、その時には通常の業務に戻してもらえるようお願いしてみましょう。
家庭の事情で仕事を続けるのが難しい場合は雇用形態を変更してもらう
子育てや介護など家庭の事情で、正社員で働くのが難しくなるのは誰にでもあることです。そんなときに、引け目を感じてしまって無理をして働いてしまうと、職場はもちろん家庭にも悪影響が出てしまいます。
職場や家庭に悪影響が出る前に、アルバイト・パートでの雇用形態に変更してもらえるように相談しましょう。
直属の上司に相談がしにくい場合には、エリアマネージャーや人事部門の方に相談するのも方法の一つです。
職場の人間関係がストレスであれば店舗の異動を希望する
同じ職場に気の合わない人がいる、自分に対して意地悪をする人がいるなど、人間関係の悩みは尽きませんよね。我慢して働いていると精神的に追い詰められてしまい、精神疾患を発病してしまう可能性が高まります。
誰にでも合わない人や苦手な人はいますので、無理せずに今の環境から脱出する方法を考えましょう。何店舗もあるブランドであれば、店舗の異動ができないか上司に相談するとよいでしょう。
ただし異動が叶ったとしても、次の職場でも同じような人がいてストレスを感じてしまっては意味がありません。相談する際には、どのような雰囲気の職場で働きたいのかも合わせて伝えるとよいでしょう。
アパレルを辞めたいけど次の転職先はどうする?
アパレル関係の仕事が辛くなり、もう辞めたいと考えていても、どのような仕事ならアパレル業界から転職しやすいのか、分からないこともありますよね。そこで、ここからはおすすめの転職先を紹介していきます。
今のショップとターゲットやテイストの違うブランドに転職する
ブランドが変わると、そこにいる販売員の雰囲気や性格なども違ってきます。今のブランドで人間関係が上手くいっていないのであれば、ブランドを変更することで働きやすい環境になる可能性が高いです。
また自分に合ったターゲットやテイストのブランドへ転職することもおすすめです。少なからず接客の経験があれば、自分が接客しやすい年代や性別、ファッションの好みなどは分かってきますよね。自分と感覚が近いお客様が多いブランドへ転職することで、接客の時に何と言って提案すればよいのか悩むなどのストレスが少なくなり、楽しく仕事ができるようになります。
販売員から、企画・PRのできる職種へ転職する
企画・PRという職に販売員からステップアップするのは簡単ではありません。しかし絶対に無理なわけではありません。
なぜなら、販売員経験者ならではの企画やPR方法を提案できるという強みもあるからです。商品を買うのは、当然お客様です。そのお客様と直に話して得た情報があれば、最初から企画職で入社している人よりも、お客様目線での提案ができます。
しかしお客様目線だけではなく、会社側の意向もしっかりと織り交ぜた提案もできないと、仕事をしていくのは難しいです。もし本気で目指すのであれば、スキルを身につけてから今の会社で異動希望を出したり、他のアパレル会社の求人に応募することをおすすめします。
百貨店やラグジュアリーブランドの販売員に転職する
百貨店やラグジュアリーブランドへの転職もおすすめです。
なぜかというと、お客様からもショッピングモールなどより質の高いサービスを求められるため、研修や教育が充実しているからです。このような研修体制なのは、全員のスキルの底上げによる、ブランドイメージの向上・維持が目的です。そのため、自分自身で暗黙のルールを察して覚えるような努力は必要がなくなり、心に余裕が出てきます。
また百貨店に転職すると、年末年始に休業する店舗もある為、年末年始に休みを取れます。ラグジュアリーブランドではセールをしない店舗が多いです。そのため、大型連休などのときは例外ですが、日によってお客様の来店数に大きな差がなく、毎日落ち着いて仕事ができます。
接客のないWEB分野のアパレル関係の企業に転職する
もし接客が辛いと感じている方でしたら、アパレル関係でも、接客をしないWEB関連の部署がある企業への転職をおすすめします。
企業によって業務の範囲に違いはありますが、一般的にはサイト掲載用の写真の撮影や、商品紹介の文言の作成、商品の発送などがあります。このような業務は、接客をしてきた経験が十分に活かせます。
例えば、写真撮影を行う際に、お客様から多く質問のあった箇所を撮影してサイトに載せることで、その商品の売上が伸びることもあります。商品紹介の文言であれば、実際のセールストークで使っていた言葉をそのまま使えます。
また近頃では、有名ブランドでもEC部門を設けているところが少なくありません。お客様自身もZOZOTOWNや楽天、ヤフーショッピング、Amazonなどネットで洋服を買うことが主流になりつつあります。求人の数も少なくはないので、転職活動は比較的しやすいです。
アパレル関係以外の営業職へ転職する
もうアパレルではなく、他の業種に転職がしたいという方には、営業職がおすすめです。なぜかというと、接客で人と話すことに慣れていて、営業職に向いている方が多いからです。
さらに営業と接客には通じるところがたくさんあります。売るものが服からその会社の商品に変わるだけで、基本的な部分はどちらもほとんど同じです。
営業と接客の違いですが、営業は事前にいつ何を売り込みに行くのか決まっています。接客は、その場でお客様に合わせた提案をしなければいけません。そのため、人によっては営業の方が接客よりも簡単に感じるかもしれません。
また「事務作業をする時間」「営業に行く時間」の配分をある程度自分でコントロールができますので、突然の接客で事務仕事が進まずに残業をすることは減るでしょう。
事務や経理など接客のない仕事に転職する
接客にストレスを感じている方には、事務や経理などのデスクワーク中心の仕事への転職がおすすめです。
会社内の人とのコミュニケーションは必要になりますが、お客様のように細心の注意を払ってのコミュニケーションではないので、接客よりは気が楽です。黙々と業務に取り組みたい方にはおすすめです。特に同じ作業をミスすることなく効率的に行える方は適性があると言えるでしょう。
簿記検定などの資格を持っていることが条件の会社もありますが、基本的なPCスキルがあればよいという会社もありますので、自分のスキルにあった会社を選ぶとよいでしょう。
今の職場から他業種の仕事への転職成功の秘訣は?
転職するときに苦労するのが、履歴書の作成や面接での受け答えです。
履歴書を書くときや面接の練習のときに、参考にしてもらえるような各業種の特徴と、それに合わせたアピール方法を紹介します。
百貨店やラグジュアリーブランドの場合接客やマネジメントスキルが必要
百貨店やラグジュアリーブランドへの転職を目指す場合には、質の高い接客を求められます。特に言葉遣いや心配りといった商品価値以外の部分でリピーターの獲得を目指す傾向にあるので、そのような面をアピールできれば、成功に近づくでしょう。
ある程度アパレル業界での経験がある方の場合、マネジメントスキルを求められます。新人教育などでの成功事例をアピールして、マネジメントスキルがあると判断されれば、採用へグッと近づけます。
企画職への転職はお客さん目線に立てるという強みのアピールを
販売員経験の一番の強みは、お客様の生の声を聞いてきたことです。企画職への転職を目指す方は、現場にいたからこその提案力があるということをアピールしましょう。そのためには、日頃からお客様の声に耳を傾けてネタを集めておき、転職活動をするときに役立つようにしましょう。
また企画職に求められているスキルの中には、マネジメントスキルもあります。企画を提案しても、それが実施されなければ意味がありません。実施までの計画を立てて、進捗を管理して、実施、結果の分析をして、次の企画の参考にしていくことまで考えなくてはいけません。今の仕事で店舗独自のイベントやセールのマネジメントを行ったことのある方は、それをアピールすると成功へと近づくでしょう。
事務や経理への転職にはPCスキルが必要
事務や経理職は、基本的にPCで作業をします。そのため、業務用のソフトをある程度使える必要があります。使えると言っても専門的な使い方は求められないことが多いです。
PCを使ったことがない方は少ないかと思いますが、文書作成、表計算ソフトがどのようなもので、どういうことができるのかくらいは知っておきましょう。もし使える環境にあるようでしたら、実際に使ってみることをおすすめします。実際に使えない方は、インターネットで調べて理解しておきましょう。
20代であれば社会人としての経験があれば他職種への転職は可能
20代の方であればこれからの成長が見込まれるので、今のスキルよりも、将来性を評価してくれる会社が多いです。転職にあたっては、向上心や行動力をアピールすると成功する可能性が高いです。
新卒の方や社会人2年目のいわゆる第二新卒の方は、社会人になって間もなく辞めることなるため、退職理由が特に問われます。「今の仕事に嫌気がさしている」「人間関係が上手くいかなくなった」などネガティブな理由よりも、「スキルアップを目指したい」「挑戦がしたい」などのポジティブな理由を志望動機にすると成功に近づきます。
また短い中でも、自分の成果と言えるものがないか振り返ってみましょう。アピールできそうな成果があれば、漏れなく伝えるとよいでしょう。
30代以降の転職はアパレルでの経験を活かせる職種であれば可能
30代での転職の場合、将来性よりも即戦力での採用をされることが多いです。そのため、全くの未経験の仕事へと転職をするのは難しいです。しかしアパレルで身につけたスキルを活かせる職業を選ベば、十分に可能性はあります。
例えば、コミュニケーション能力を活かせる営業職、マネジメント能力を活かせる人事関係などの、主に人に関わる仕事です。合わせて30代ならではの豊富な人生経験をアピールできれば、さらに可能性は上がるでしょう。
コミュニケーション能力や協調性が高い等は大きな強みである
販売員のスキルとしての大きな強みは、コミュニケーション能力の高さです。どのような仕事でもコミュニケーションは必要です。
例えば、会議や日頃の仕事での相談など人と関わらずに進む仕事はありません。このようなときに積極的にコミュニケーションを取れる人がいると、会議が円滑に進んだり、仕事の進捗がよくなったりとよい結果をもたらします。
協調性が高いことも強みとしてアピールできます。複数人で仕事をするにあたって、協調性が高いことは重宝されます。また協調性の高さは、マネジメントをする立場に必要不可欠な能力ですので、出世の材料にもなるでしょう。
給与や職種、休日など自分の譲れない条件を明確にする
転職するにあたって、自分の希望を明確にすることが大切です。今、辛いと感じていることを全て消すくらいの気持ちで転職活動をしましょう。せっかく転職をするわけですから、今よりもずっとよい環境で仕事したいですよね。
「土日休みは絶対に譲れない」「給料はこの金額以上であれば譲れる」など、あらかじめ条件を決めておきましょう。決めておくと、求人を調べる時に悩むことが少なくなり、スムーズに転職活動が進められます。
転職エージェントを活用して転職活動をしてみる
近頃は、転職エージェントがたくさんあります。doda、リクナビNEXT、ビズリーチ、エン転職のような有名企業が運営するものから、業界別の専門的なエージェントもあります。この中でもリクルートグループの運営するリクナビNEXTは業界最大手です。そのため、求人数が多く、希望に合った求人が見つかりやすいでしょう。
運営している会社によって得意分野が違いますので、エージェントを使おうと考えている方は、一つだけではなく何個か登録してみて自分の希望に合う仕事を見つけましょう。
登録者ひとりひとりに担当者をつけてくれるエージェントもあります。担当者は、どのような仕事をしたいのか、条件はどんなものなのか、不動産の物件を探すときのように希望を伝えることで、求人探しに協力してくれます。また面接の仕方や履歴書、職務経歴書の書き方などを親切に教えてくれます。転職活動が初めてで不安のある方は、担当者と一緒に転職活動を頑張っていくのも一つの選択肢でしょう。
アパレル関係からの転職のメリットは?
いざアパレル関係からの転職を決心したのはよいけれど、実際に何がよくなるのか気になりますよね。
ここからは、アパレル関係からの転職でメリットと感じられることを紹介していきます。
カレンダー通りに土日と祝日休めるようになる
業界や業種によって違いますが、サービス業でなければ、基本的に土日祝は休みです。カレンダー通りの休みであれば、違う仕事をしている友人とも休みが合いますので、一緒に遊びにいく計画も立てられます。今までの1日休みではできなかった趣味を始められます。近場であれば旅行の計画も気軽に立てられます。また土日に開催されるイベントやお祭りにも参加できます。
このように自然とプライベートでも充実感を感じられるようになるでしょう。
売上ノルマから解放される
事務や経理職になった場合には、売上をあげる部署ではありませんので、ノルマは一切ありません。営業職だとしても個人ノルマのない会社もありますので、毎日の売上ノルマのプレッシャーから解放されます。
精神的に余裕が出てくると、仕事の効率もよくなっていきます。効率がよくなっていけば、残業をする必要がなくなります。残業がなくなれば、帰宅する時間が早くなるので、プライベートの時間が増えて、生活が豊かになります。
長時間の立ち仕事から解放される
デスクワークをメインにする仕事に転職した場合、オフィスで座って仕事をすることになります。一日座っているのも立ち仕事とは違った辛さがありますが、慣れてしまえば問題ありません。もう体力的に疲れてヘトヘトになることはなくなるでしょう。
体力的に疲れきることがなくなる為、仕事後のプライベートの時間もジムに行ったり、買い物に行ったり、友人と食事に行ったりと好きなことに使えて、プライベートも充実させることができます。
洋服を自由に買うことができる
今まで仕事のために買っていた自社ブランドの服を買う必要はもうありません。そのため、自分の好きな服を好きな時に買うことができます。今までのように何かを我慢してまで服を購入する必要がなくなるので、金銭的余裕も出てきます。
つまり計画的にお金を使えることになるため、貯金や投資、書籍の購入、旅行などの今までできなかったことができるようになります。自分の着たい服を着て、したいことができる幸福感を味わえます。
女性の場合は結婚・妊娠出産後も仕事を継続しやすくなる
一般の企業は、アパレルブランドに比べて、福利厚生が充実していることが多いです。
結婚に対しての福利厚生も、お祝い金や結婚記念日休暇など優遇されます。このような制度が設けられている企業は、社内の雰囲気も結婚に対して理解のある傾向が強いです。出産に関しても、産休や育児手当、時短勤務など、長く安心して仕事を続けられる体制が整いつつあります。
また男女雇用機会均等法で、妊娠や出産を理由にした不当な扱いは禁止されています。法令遵守を掲げている企業では、冷遇されないでしょう。この他にもその企業独自の制度が多くあります。自分はどのように働いていきたいかをしっかりと決めた上で、自分に合う制度のある企業を選べるようにしておきましょう。
異性との出会いが望める
一般的な会社は、事務や総務、人事など女性の多い部署と、営業や技術部など男性が多い部署が合わさって構成されていることが多いです。そのため、一定数の異性と同じ職場で仕事をすることになります。仕事上で異性の社員と会話をすることも多くあるでしょう。ときには、一緒にプロジェクトを進めていくこともあります。その中で、親密になってお付き合いが始まるケースもあります。
また部署の飲み会や関連部署との懇親会、同僚同士での飲み会など、業務外でも会う機会は多くあります。その中で普段気になっていた異性と親密になれることもあるでしょう。
長時間労働から解放され心身ともに余裕ができる
アパレルに比べて一般的な企業では、予定にない残業はほとんどありません。予定通りに生活できることで、心身ともに余裕が出てきます。余裕があると、ストレスを感じにくくなり、穏やかに生活を送れるようになります。その生活は、自分自身の性格も穏やかにしていき、家族や恋人、同僚にまでよい影響を与えます。
近頃では、働き方改革など国として残業削減に向けた動きがありますので、今後さらに長時間労働は減っていくことが期待できます。
自分のやりたい仕事を見つけよう
今、この記事を読んでいる方は、今の仕事を辞めたいと思っているほど辛い体験をしていることでしょう。そのような状態で仕事を続けていてもよいことはありません。今すぐ辛い状況を脱出しましょう。脱出した先は、ストレスなく生活できる環境にしたいですよね。
もし職場を変える決心をしても、転職活動を始めてすぐに採用が決まるとは限りません。不採用になっても落ち込まずに、今の状況を脱出したときの喜びをイメージして続けましょう。ここで諦めてしまったら、辛い状況は変わりません。
また今の状況を「失敗してしまった」とネガティブに捉えるのではなく、経験として次の仕事に活かす気持ちも大切です。最高の再スタートを切れるよう、ポジティブな心で、かつ焦らず慎重に次の職場を選ぶようにしましょう。