司法書士の資格を取る前に知っておきたい試験概要と体験談
はじめての司法書士資格に挑戦しよう
司法書士の資格を検討している人なら、いかに難易度が高い資格なのかはご存じでしょう。合格率も他の資格に比べると低く、少し勉強した程度で合格できるものではありません。
しかし、逆に言えば運やセンスで合格できる資格ではなく、しっかり勉強した人なら必ず合格できる資格であるともいえます。そんな司法書士資格に挑戦する人へ、資格の概要や合格者の体験談をご紹介します。
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司法書士資格とはどんなもの?
司法書士試験の勉強を始める前に、試験自体にどんな特徴があるのか把握しておきましょう。概要や合格率などを知っておくと、勉強へのモチベーションも上がりますし試験への向き合い方も変わります。
司法書士試験は覚えることが多いので、やみ雲に勉強を始めてしまう人が案外多いのですが、試験を制するには試験のことを詳しく知る必要があります。
司法書士資格の概要
司法書士試験は、例年7月に筆記試験が行われ10月ぶ口述試験が行われます。年齢制限も学歴制限もない、かなりオープンな資格試験なので受験するのは誰でも可能です。
しかし、司法書士の試験は司法試験の次に難しいと言われている試験なので、簡単に合格できるものではありません。勉強を始める前に、スケジュールや合格基準などの詳しい概要をチェックしておきましょう。
資格概要 | |
試験の開催時期 | 筆記試験:7月上旬 口述試験:10月中旬 |
受験料 | 8000円 |
申込受付時期 | 例年5月中旬~5月下旬 |
年齢制限 | なし |
学歴制限 | なし |
その他制限事項 | なし |
合格基準 | 多肢択一式問題:105点中75点(得点率75%~83%) 多肢択一式問題:105点中72点(得点率68%~80%) 記述式問題:70点中34点(得点率50%~70%) 上記の得点に該当しても、上位者から順に合格が決まるので獣医次第では不合格になることがあります。 |
合格発表時期 | 一次・二次試験:10月上旬 最終発表:11月上旬 |
司法書士の試験の形式
司法書士の筆記試験は、午前の部と午後の部に分かれており、それぞれマークシート方式になっています。午後の部では、実際の登記申請書に記載する方式での試験も行われます。11科目という広い知識が必要なのが、司法書士試験の大きな特徴です。
筆記試験に合格すると、約3ヶ月後に面接方式の口述試験が行われますが、こちらは筆記試験に合格している人は、ほぼ全員が合格できます。
試験形式 | 問題の種類 | 内容 |
筆記試験(午前の部) | 五肢択一式(マークシート方式) | 憲法 3問 民法 20問 刑法 3問 商法 9問 |
筆記試験(午後の部) | 五肢択一式(マークシート方式) | 不動産登記法 16問 商法登記法 8問 民事訴訟法 5問 民事執行法 1問 民事保全法 1問 供託法 3問 司法書士法 1問 |
筆記試験(午後の部) | 記述式 実際の登記申請書に記載する内容を問われる |
不動産登記法 1問 商業登記法 1問 |
口述試験 | 面接形式による質疑応答 | 例年、科目は不動産登記法・商業登記法・司法書士法から出題。 筆記試験に合格した者は、ほぼすべて合格。 |
司法書士の近年の合格率
司法書士資格の試験の合格率は、年度によって変わりますが平均して約4%前後で、他の資格と比べるとかなり難関です。合格率はジワジワ上がっているものの、運や簡単なコツなどで合格できるような資格ではないことが分かります。
受験した100人に4人しか合格できないということを念頭に入れ、勉強を始める前には綿密なスケジュールと、正しい勉強法を設定しなくてはいけません。
年度 | 合格率 |
2018年 | 4.32% |
2017年 | 4.07% |
2016年 | 3.95% |
2015年 | 3.95% |
2014年 | 3.77% |
司法書士の独学難易度
司法書士資格は、合格率からも分かるように難易度の高い資格なので、独学の難易度も当然高めです。とても難しい挑戦になりますが、可能性がゼロではありません。
どうしても資格取得にお金を掛けられない人や、理由があって自分のペースで勉強を進めたい人は、独学を検討していることでしょう。ここで独学の難易度を理解して、工夫して勉強を進めれば不可能ではないので、ぜひ挑戦してみましょう。
独学難易度 | |
必要な勉強時間 | 2500~3000時間以上 |
独学で合格できた人の割合 | 約1割強 |
難易度判定 | ★★★★★ |
司法書士の勉強に必要な費用比較
司法書士の試験は、とにかく出題範囲が広いので、テキストや講座の内容に幅があります。テキスト代やスクールの料金に幅があるのもこの為です。
独学の場合は、期間が長くなればなるほどテキスト代や模試の料金が増していきます。スクールや通信講座も、内容がそれぞれ異なるので、予算も考慮して受講先はじっくり選びましょう。
勉強の仕方 | |
独学 | 約50,000~200,000円 |
スクール通学 | 約200,000~550,000円 |
通信講座受講 | 約50,000~500,000円 |
資格試験の難易度や雰囲気は?体験談を紹介
試験の概要を把握したら、実際に試験に合格した人たちの本音を聞いてみましょう。体験者の言葉は、どんな話よりこれから受験する人の参考になるはずです。
ここでは、試験の難易度に関するものや試験当日の雰囲気に関するものを中心にまとめました。事前に、イメージングができていれば、実際に試験に臨むとき失敗を回避できます。また、勉強のモチベーションを上げるのにも役立つので、今後もたまにチェックしてください。
自分の力を過信していた
どんなに試験の難易度が高いとはいえ、これまで資格試験に比較的簡単に合格していたり、大学受験などで苦労しなかったりすると、司法書士試験も同じように考えてしまうことがあります。しかし、次のような感想を持った男性がいました。
[review sex=”man” job=”会社員” title=”頭がいいと思っていたのに” rate=”3.5″]大学受験でも、それほど勉強せず希望校に入学できた自分は、勉強すれば大抵の試験は合格できると思っていました。しかし司法書士の試験は別格でした。2年かけてやっと合格できましたが、難易度の高い司法書士試験を舐めていた自分を反省しました。[/review]
2年というのは、かなり短期間での合格ですが、勝因は早めに自分の実力を把握し軌道修正を行った点でしょう。
試験当日は緊張で頭が真っ白になった
試験というのは、想像している以上に緊張するものです。特に、試験の雰囲気に慣れていない場合は、当日圧倒されてしまうことでしょう。
[review sex=”woman” job=”主婦” title=”久々の緊張する舞台で頭が真っ白に” rate=”4.2″]子育てがひと段落して、夢だった司法書士資格を目指して勉強しましたが、最初の試験で緊張から頭が真っ白になりました。主婦というのは、緊張する場面が少ないので、試験会場の雰囲気に圧倒されてしまいました。1回目の試験で合格できなかったのは、緊張が原因だったと思います。[/review]
緊張しないためには、できるだけ模試を受けて緊張しない状態にしておくことが大切です。また、やれることはやったという自信も、緊張しない精神状態になる方法でもあります。
分からない問題が出てパニックになった
試験への思い入れが強い人ほど、試験当日に思わぬことがあるとパニックに陥ってしまうものです、冷静さを欠いてしまうと、それまでの勉強が水の泡になってしまうこともあるので注意が必要です。
[review sex=”man” job=”会社員” title=”試験中は冷静になることが大切” rate=”4.1″]試験会場に着いたときは若干緊張しましたが、試験が始まると落ち着いて問題に取り組めました。しかし、午後の試験で分からない問題が出てパニックになってしまい、他の問題まで自信が持てなくなってしまいました。一度冷静になって見直し、何とか合格できました。[/review]
試験で思わぬハプニングがあっても、事前に心構えをしておくと冷静になれます。勉強だけではなく、メンタル面の成長も合格には必要です。
合格者がやっていた実際の勉強方法とは?
試験の詳細が分かったところで、実際に合格した人たちがやっていた勉強法を5つご紹介します。あなたに合ったものがないかチェックして、今後の勉強方法を検討するヒントにしてください。
特に、これから初めての司法書士試験に挑戦する場合は、経験者の声を聞くことはとても大切です。我流になりすぎると、試験勉強が非効率になることがあるので合格者の声をどんどん取り入れましょう。
仕事と並行して1日5時間以上
仕事をしていると、一番のネックになるのが勉強時間の確保ですよね。仕事との兼業で試験に合格した人の中には、平日5時間以上、休日は12時間以上の勉強をして、2年間で資格を取得したという人がいます。
仕事から帰宅した後だけではなく、通勤中の電車や会社の昼休みなどの隙間時間も上手に活用して、勉強時間を確保しなくてはいけません。1日のスケジュールを可視化して無駄な時間や隙間時間がないか見直して、使える時間はすべて勉強に費やすという気持ちが必要です。
スクールに通って短期合格を狙う
司法書士の資格を短期で取得するには、専業でスクールに通いみっちり勉強するのが一番です。短期合格者の多くは、スクールを利用しています。費用はかなり高額になりますが、ダラダラと期間を掛けると独学でもテキスト代が数十万になることを考えると、検討する価値はあります。
どうしても資格取得に期間を設けられない人や、独学で合格する自信がない人は、スクールに通って確実に合格に向けて動く方がいいでしょう。
通信教育で独学の欠点を補う
最初は独学で勉強を始めたものの、進行状況や実力の判断が難しいので通信教育を利用した人もいます。独学の場合は次のようなことがデメリットになります。
[box_checkpoint title=”チェックポイント”]
- 自分のレベルが判断できない
- スケジュールや勉強方法が合っているか不安になる
- たくさんの情報に振り回される
- スケジュールが適切なのか分からなくなる
- モチベーションの維持が難しい
[/box_checkpoint]
これらのことは、合格への大きな妨げとなり合格までに何年も費やすことになってしまいます。独学で試験に挑む場合は、通信教育を活用してこれらのデメリットを解消することも検討しましょう。
受験生仲間をたくさん作って勉強を楽しむ
司法書士の資格に限らず、難しい資格に挑戦している仲間を作って、一緒に勉強会をしたりストレス発散をしたりするのも、勉強を効率的に行う方法のひとつです。
仲間を作った方がヤル気の出る人や、1人では怠けてしまう人にはおすすめの方法です。合格者の体験談としては、仲間と一緒に合宿をしたりバーベキューをしたりして、気分を切り替えながら勉強したという声がありました。
家から出て他の場所で勉強する
自宅にいるとテレビを見たり、友達からの誘いを断れなかったりと、たくさんの誘惑に振り回されてしまいます。そこで、家を出て完全に誘惑のない場所で勉強に集中したという人もいます。
予算があれば、長期利用できる宿泊施設を利用するのもいいですし、数か月のみウィークリーマンションなどを契約して、帰宅後はそこで集中して勉強するのもいいでしょう。予算は掛かりますが、誘惑に負けて時間を無駄にすることは防げます。
勉強だけでなく要件の確認も忘れずに
初めて司法書士の試験に挑戦する場合は、やみ雲に勉強をするだけではなく、試験の要件や概要などをしっかり把握しておく必要があります。また、司法書士の試験はとても難易度が高いので、試験についてのしっかりとした調査も怠ってはいけません。
詳しい試験の内容を知り、正しい勉強法とスケジューリングで、できるだけ短期間で資格を取得できるよう工夫し合格へと駆け抜けてください。