理想の上司になるための8つの方法・してはいけない11のこと
40代前後の方必見。上司になったら理想の上司を目指そう
会社員は、ガムシャラに仕事を頑張ってきた20代を経て30代になると、周りを見る余裕が出てきます。そして40代では、上司として職場をまとめるポストに就く人も多くなります。
やはり、仕事を長年頑張ってきた人は「理想の上司を目指したい」と考えるものです。そこでドラマやマンガなどを例に挙げ、「理想的な上司像」について説明していきます。
仕事ができるだけでは上司が務まらない理由
男性女性関係なく、単に自分自身が仕事ができるだけでは、理想の上司と言えません。理想的な上司像の一つとして真っ先に挙げられるのは、部下が抱えている悩みを共に解決し、部下を育て、そして仕事の成果を上げていくことが挙げられます。
ここでは、様々なランキングにもよく上がる「理想の上司像」について説明します。
一人でできる仕事には限度があるから
仕事は連係プレーでうまく回っていくものです。ある範囲以上の仕事のすべてを、一人でこなすことは限度があります。例えば、刑事ドラマで言えば捜査は一人ではできません。犯人を一人でつかまえるのははかなり難しいと言えます。
病院や福祉関連などもそうですが、往々にしてどの仕事でもセクションの一つ、担当者の一人が欠けても機能しなくなります。連携してこそ成果が上がるのです。
部下を育てないと会社も育たないから
「部下を育てること=会社が育つこと」と言えます。NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』では、創業者が懸命に新人社員を育てている姿も再現されていました。このように大勢の社員が仕事ができるようになると、会社の業績は向上します。
ところが部下が育たないと、会社の“技術”は進歩しません。部下を育てる=指導することが上司の役割でもあるのです。
部下を制御できないと業績に結び付かないから
部下を育てたあとは、コントロールをしなければいけません。まだ若い部下は仕事ができるようになってくると勘違いをして「会社がうまくいっているのは俺のお陰だ」と思いがちです。そうなると暴走する可能性があります。
ドラマ『ドクターX』では、良い意味で女性天才外科医が上司を振り回す姿を描いていましたが、本来は、上司は部下を上手にコントロールしなければいけないのです。
仕事には円滑な人間関係が必要だから
ドラマなどで描かれている仕事がうまく回っているパターンは、全員が協力して目標に向かっている姿です。
このことからも言えるのは、円滑な人間関係を築いてコミュニケーションが良くなると、間違いなく仕事の効率が格段に向上するということです。社員一人一人が働きやすい環境を整えてあげることも、上司の大切な仕事です。
上司の人柄が部下に影響することもあるから
人生において一度は「この人の役に立ちたい」と思う人が現れます。そう思える人は、人柄の優れた上司ではないでしょうか。わかりやすい例でいえば、ドラマ『下町ロケット』で阿部寛さんが演じた社長、『ストロベリーナイト』や『MOZU』で西島秀俊さんが演じた葛藤を抱えた真面目一筋の刑事役など、いろいろなパターンがあります。
人は、“人柄に惚れる”と、とことん忠誠心をその人に対して示そうとするものです。それが仕事に良い影響を生み出すのです。
理想の上司像とはどんな人
仕事をうまく回していくうえで、やはり上司の存在がいろいろな面で重要なことがわかりました。それでは理想の上司の“資質”とは何でしょうか?
男性女性に関係なくドラマを観ていると何となくイメージができますが、具体的に知っておくべき情報です。ここではランキングにも挙げられる資質について、具体的に説明していきます。
話を聞いてくれる穏やかな人
まず挙げられる大切な資質が「話を聞いてくれる」という点です。一方的に自分の考えを押し付ける上司ではなく、部下が抱えている悩みをじっくり聞くことのできる性格が求められます。
部下の話の途中で「それは違う」と思っても、話を中断することなく最後まで耳を傾ける姿勢が上司には必要です。
部下への指導力がある人
部下を育てる役割を具体的に言うと、「指導力」と言えます。上司は部下に対して、仕事の進め方や業績の出やすい方法についての細かい指導、そして他の社員とのチームプレーの大切さも指導する必要があります。
入社して間もない若い部下は、これらの点が不足しており、不安を抱えているかもしれません。上司には、部下に力を付けてあげられる指導力が必要です。
どんなときにも動じない安定感がある人
仕事には様々な困難がつきものです。大きなことでは、倒産の憂き目に遭うことも挙げられます。しかし上司は、どんな局面に遭遇してもどんと構えていなければいけません。
上司が不安定な態度を取っていては、部下は余計に心配します。上司は顔色一つ変えないで、“山のように動じない姿勢”を見せることが必要なのです。
アメとムチで指導ができる人
仕事には必ず失敗がつきものです。しかし、部下が失敗をしたときにこそ上司の態度が部下のモチベーションに影響を与えます。慰めることも必要ですが、失敗を繰り返さないためにも、ときには怒ることも大切です。
そして成果を上げた時には褒めたたえます。「アメとムチの使い分け」が必要なのです。“情けは人の為ならず”ということわざがありますが、結果として業績向上につながるのです。
的確な判断力と実行力がある人
上司には、状況や物事を冷静かつ的確に判断し、客観的に対応する能力も求められます。問題が起きた時に指揮を行うべき上司が慌てふためき、現場が混乱するに任せていたら、上司である意味がありません。
問題が起きた時こそ上司の腕の見せ所です。的確な判断力が、仕事を円滑に進める力となるのです。
責任をしっかり取ってくれる人
上司は、職場における責任者です。そのため何か問題が起き、その責任を何らかの形で取らなければいけないこともあります。
しかし残念ながら、責任を部下に押しつけて逃げてしまう上司もいます。このような上司は、上司として失格と言わざるを得ません。当然、部下からの信頼も失うことでしょう。上司には、問題が起きた時こそしっかりと責任を取る姿勢がなければいけません。
客観的な観点から冷静に判断できる人
人間は誰しも好き嫌いの感情があって当然です。自分のことを嫌っている部下よりも慕ってくれる部下に対して、つい甘くなることもあるでしょう。男性に対してよりも女性に対して甘くなることもあるでしょう。
しかし、仕事においては感情に振り回されずに、客観的に状況を判断し、対処しなくてはいけません。
人に厳しく自分にも厳しい人
上司は部下に対して「アメとムチを使い分ける」ことが大切と説明しましたが、当然のことながら、自分自身に対しても厳しくしなくてはいけません。
部下に対して厳しい姿勢で当たっていながら、自分には、目標を達成できなかったり失敗をしたりしても甘い態度を取るのは公平ではありません。そのような態度は、やはり部下からの信頼を失うでしょう。
仕事を楽しいと思わせられる力がある人
仕事は辛いこともありますが、もちろん、負の側面ばかりではありません。素晴らしい商品や技術を生み出し、世の中の多くの人に喜ばれると、モチベーションは一気に上がります。お給料も上がればさらに楽しい気分になります。
このように仕事は、正の面も持ちあわせています。上司は部下に、「仕事は楽しくて遣り甲斐のあること」と思わせられる力が必要なのです。
人として尊敬できる人
人生は会社だけが全てではありません。会社の外にも様々な世界が広がっています。上司は部下を始めとする社員にだけ良い顔をしていては、人として失格です。知らない人に対しても、人として尊敬できる振る舞いができる人柄でなければいけません。
上司である前に、立派な社会人であることが理想の上司像の大事な条件の一つとなります。
理想の上司になるにはどうすればいい?
理想の部下の資質や態度について説明してきましたが、さらに具体的に「理想の上司になる方法」について説明します。
最近話題なのが、マンガ『ドラゴンボール』で極悪非道ぶりを発揮しているフリーザです。極悪な反面、理想の上司としての特徴も備えています。その特徴も含めて、理想の上司になる8つの方法について説明します。
部下とのコミュニケーションを大切にする
職場を一つにまとめなければいけない管理職である上司は、部下とのコミュニケーションを大切にしなければいけません。
フリーザは、末端の戦闘員の名前と顔もしっかり記憶しています。そして、部下であっても敬語を使います。直属の部下の名前を忘れる上司はいないでしょうが、まずコミュニケーションで大切なのは、部下を認め、丁寧に応対することなのです。
部下の面倒を見る
部下とのコミュニケーションの必須要件として「報告・連絡・相談」も挙げられます。そしてさらに踏み込むと、「部下の面倒を見る」という点が挙げられます。
部下にもいろいろなタイプがいます。要領の良い人、要領はあまりよくないけど一生懸命に励む人などそれぞれです。上司はうまく仕事が進められていない部下に対して面倒を見る必要もあります。
部下を信頼して仕事を任せてみる
経験の少ない部下に仕事を任せる不安は、上司であれば誰しもあります。お客様に迷惑もかけますし、失敗したときは全責任を上司がとらなければいけないからです。しかし、それではいつまで経っても育ちませんし、実力があっても発揮できません。
フリーザが完全実力主義を遂行しているように、信頼して責任のある仕事を部下に任せるのも上司の役割です。
失敗しても挽回のチャンスを与える
部下を信頼して責任のある仕事を任せても、いつも成功するとは限りません。当然ながら失敗もあります。しかし理想的な上司はそこで切り捨てることなく挽回のチャンスを与えます。
フリーザも、失態を演じた部下に対して目をつむるという、度量の大きさを見せています。「失敗は成功の母」ということわざもありますが、失敗してこそ次は大きな成果を生み出す可能性が高いことを心得ているのです。
リーダーシップについて学ぶ
リーダーシップとは、率先して物事を進める能力のことを言います。つまり“現場至上主義”です。自分は椅子に座り、部下に丸投げをする上司も多くいます。
しかし、フリーザや数々の戦国時代のドラマでも描かれているように、優れた上司こそ現場で指揮を執ってリーダーシップを発揮するのです。リーダーシップは机の上ではなく、現場でこそ学ぶべきものです。
マネジメント力を身につける
マネジメント能力とは、物事を管理したり運営したりする能力のことを指します。部下の資質を把握して管理し、上手にそれを生かしてコントロールできる人物こそ理想の上司像と言えます。
しかし、このマネジメント力は一朝一夕に身に付くものではありません。現場で部下とコミュニケーションを取りながら様々な問題を解決してこそ身に付くものです。
出世している先輩を観察し話を聞く
野心のある人は、さらなる出世を抱いていることでしょう。「理想の上司像=出世」とは必ずしも言えませんが、出世をしている先輩の様子を観察したり話を聞いたりするのも一つの方法です。
理想の上司になるには、ある程度の世渡り上手な要素も必要と言えます。直接出世している先輩に、処世術などのアドバイスを受けるのもおすすめです。
自分がお手本にしている上司を目標にする
最後は、先に挙げた「出世している先輩を観察して話を聞く」と似ていますが、自分が尊敬している上司を見倣う方法です。見倣ううちに、同じように振る舞うことができるかもしれません。
身近に理想的な上司がいなければ、有名人や、俳優・芸能人が演じるドラマやマンガの登場人物をお手本にするのもいいでしょう。具体的なイメージを持つことで近づくことができます。
上司が絶対にしてはいけない11のこと
理想の上司像の反対として、「上司がしてはいけないこと」は何でしょうか?理想的な上司像の対局的なことと言えますが、自分が上司になった際に気を付けなければいけないポイントとして認識しておきましょう。
ドラマやマンガでも描かれるているように、理想像よりも悪い例のほうがイメージしやすいと言えます。ランキングで多く上がる内容について説明します。
自分のことにしか頭にない
これまでに説明してきたように上司は、自分の仕事さえできればよいわけではありません。しかし中には部下をないがしろにして、往々にして自分の出世のことしか考えていない上司もいます。
このような上司は、「部下があってこそ自分がある」ということを忘れてしまっているのです。このような態度を取る上司はすぐに部下の信頼を失い、出世はおろか、降格されてしまいかねません。
言うことがころころ変わる
「昨日はAと言っていたのに、今日はBと言っている」などのように、言うことがころころ変わる上司もいます。仕事を進めていくうえでやり方や方針が変わるのは仕方のないことですし、むしろ仕事では多くあることです。
しかしここで大切なのは、「変わった理由」を部下に告げることです。そうしないと単に「気分的」なものとして受け取られてしまいます。
部下の仕事に対しての確認が細かい
上司には、部下の仕事を確認する役割もありますが、この確認作業が異常に細かい人もいます。神経質すぎて「疑われているのでは……」と勘ぐってしまいます。
このような上司は猜疑心が強く、やはり部下を信用していないと言えます。そのため、いつの間にか部下から嫌われてしまうことが多いようです。
自分の感情をぶつけてくる
人間は感情的な生き物のため、“喜怒哀楽”があるのは当然です。しかし、この感情の起伏が激しいと周囲の人間は疲れてしまいます。
ましてや職場で部下に喜怒哀楽を出されると、部下はいつも上司の顔色をうかがうようになってしまいます。プライベートで少しくらいの嫌なことや辛いがあっても上司は平然とし、仕事に励まなければなりません。
いつも攻撃的な態度を取る
上司が攻撃的な性格なのも厄介なことです。部下が何かを質問するたびに「なんでそんなことも分からないんだ」または「大学で何を勉強してきたんだ」などの攻撃的な発言や、すぐに物事を決めつける発言は、部下にとって精神的ダメージにつながります。
本人に「攻撃をしている」という意識がなくても、受け取り方によっては「攻撃された」と感じる人もいるのです。
部下の手柄を横取りする
会社の仕事は全員で協力して行うものですが、わかりやすいところでは営業職や技術開発職などの職域では、個々の仕事の成果が求められます。そのため、社員同士は競争意識を持たざるを得ません。
同僚だけではなく、上司と部下の関係においても同様です。なかには部下の手柄を横取りしてしまう上司もいます。部下のモチベーションを下げてしまい、結果として部署全体の士気を下げてしまいかねません。
自分の上司の顔色ばかりをうかがう
上司にも、課長や部長、さらに社長などの自分の上司がいます。部下の心配事や悩み事はそっちのけで、自分の上司の顔色ばかりをうかがう上司もいます。つまり、出世のことしか頭にないのです。
そうなると部下は行き詰ってしまい、最終的にはこの上司がいる部署は業績を上げることができなくなってしまいます。
部下のプライバシーに干渉する
上司は、たとえ部下であっても部下のプライバシーに干渉すべきではありません。もちろん部下の家族構成や趣味程度は、不測の事態に対処するときや部下の長所を引き出す面でも、部下のために知っておくことは必要です。
しかし、必要以上のプライバシーに干渉することは許される行為ではありません。SNSで“友達”になるのもおすすめできません。
指示が要領を得ていない
部下に業務連絡などの必要事項を伝える際に、話のポイントがずれている、要領を得ていない上司もいます。上司自身が話を理解していない可能性が高く、部下に明確な指示ができないのです。
このような上司に限って質問をすると逆切れをする可能性が高く、部下は非常に困ってしまいます。また、部下からの質問に対して明確な答えを出せない上司もいます。いずれにしても話のポイントがずれているのです。
仕事ができない
「話のポイントがずれている」ことも含まれていますが、あらゆる面で仕事のできない上司は、部下にとって非常に困る存在です。
部下に的確な指示を出せない、責任を取らない、上ばかりを見て部下に配慮をしない、気分で言うことを変える、仕事の段取りが悪い……などこれまでに説明してきたすべての要素が当てはまります。
部下にパワハラをする
最後は、もってのほかですが「部下にパワハラをする」行為が挙げられます。
これは、「攻撃的な態度」「プライバシーに干渉する」なども含まれますが、他に「部下に仕事を与えない」「ほかの部下の前で叱責する」「遅くまで働かせる」「必要以上の仕事をさせる」などが挙げられます。当然、上司としてはあるまじき行為と言えます。
理想の上司になって仕事をうまく回そう
理想の上司になるのは簡単なことではありません。仕事ができるばかりではなく、部下からの信望がないといけません。
仕事はもちろん、部下を大切にし、すべてのことに誠実に臨むことで理想の上司に近づくことができます。そうすることで仕事をうまく回すことができ、自分のモチベーションにもつながります。面倒くさがらずにじっくりと取り組みましょう。